;;;:*†*:;;;:*†* 第22回 *†*:;;;:*†*:;;;:
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キルコライズフィールド 第22号
2014年 11月 1日発行
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11月メールマガジン
弊社お客様方
いつもご愛顧いただき、今月も当メルマガをご購読くださり、ありがとうございます。
暦の上での冬を迎えています。
紅葉は街まで降りてきました。
気が付けば今年ももう一か月と少しとなりました。
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メールマガジン【 キルコライズ・フィールド 】 今回はその第22号を配信いたします。
皆様方のビジネスの前進に貢献したいという観点も持ちながら、キルコート周辺の情報もできるだけ含めてお伝えしてまいります。
今回の話題は、先月に引き続き『省エネシミュレーション ②』で、当社が実施している計算方法について、その概略を紹介する、その中編です。
今月もわかり易さに配慮してお伝えいたしたいと思います。
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☐☐「前回の復習」☐☐
前回お伝えした内容をざっと振り返ってみましょう。
①.夏季の冷房に対する効果を計算する際、まず考えるのは、「熱の侵入」で、空調機は、室内にある熱を屋外に運び出すために電力を使います。
②.屋外の熱がどんどん室内に侵入してくる状況の場合、空調機には大きな負荷となり、熱を運び出すための電力をどんどん消費することになります。
③.キルコートの適切な塗装により、そのどんどん室内に侵入してくる状況をかなり改善させることができ、結果として、キルコート塗装によって、空調機にかかる負荷が下げられます。
④.キルコート塗装によって、侵入する熱量がどのくらい減るかが計算できれば、省エネ予想ができることになります。
⑤.侵入する熱量が減る分の数字を、計算によって導き出すというのが、当社で実施している省エネシミュレーション計算の方法です。
という内容でした。
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☐☐「省エネ計算の方法の流れ」☐☐
今回はその具体的方法についての話題です。
流れとしては、キルコート塗装によって減らせる侵入熱量がどのくらいになるかということを計算し、そこから減らせる電力消費量を求めるという順序となります。
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☐☐「侵入のしかた」☐☐
侵入する熱量を考えるのですが、そもそも屋根からの熱はどのように室内に侵入するのでしょうか?
屋根の熱は天井裏の空気やほかの建材に伝わり、それがやがて室内の空気へと伝わります。
建材やその間の空気の中を伝わって侵入してゆくと考えられます。
このような伝わり方を『熱伝導』といいます。
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☐☐「熱伝導率と熱還流率」☐☐
『熱伝導率』という言葉がありますが、これは、ある物質の熱の伝わり易さを表す数字で、大きい数字になればなるほどその物質が熱が伝わりやすいことを示しています。
『熱伝導率』は物質そのものの性質を示す数字です。
実際の建物ではそれぞれの建材の厚みがありますし、それらが重層構造になっていることを考慮しなければいけません。
物質の厚みも考慮し、それぞれを合計したりといった計算をする場合には、『熱貫流率(K値)』を用います。
『熱貫流率(K値)』は、構成する物質(材料)のそれぞれの『熱伝導率』をもとに計算して求めます。
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☐☐「材料の熱還流率」☐☐
屋根の熱が天井をとおり、室内に伝達していくのですから、屋根から天井そして室内の空気に伝わるまでの『熱貫流率(K値)』を求める必要があります。
物質(材料)が一種類であれば、『熱貫流率(K値)』は次の計算となります。
熱貫流率(K値)= 1/(材料の厚さ ÷ 熱伝導率)
この時の分母(材料の厚さ ÷ 熱伝導率)は、材料の熱抵抗値と呼ばれるものです。
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☐☐「屋根から天井までの熱還流率」☐☐
実際には材料は何層にもなっていますので、その場合は、
熱貫流率(K値)= 1/(材料①の厚さ ÷ 熱伝導率①)+(材料②の厚さ ÷ 熱伝導率②)+(材料③の厚さ ÷ 熱伝導率③)+・・・
というように、分母は各材料の熱抵抗値の合計となります。
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☐☐「内外の空気との接触面、内部の空気層 のあつかい」☐☐
建材は内と外でそれぞれ空気と接触面を持ちます。
建材と空気との間の熱の伝わりには、凡そ一定の抵抗があると考えられます。
そこで、ここには定数とされる数値を加える計算します。
内部の空気層についても同様に定数を入れて計算します。
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☐☐「熱還流率計算実施①」☐☐
ここで、実際の建物の屋根での熱還流率計算の実際例を示しましょう。
屋根が折板で、天井裏があり、プラスターボードと言われる天井ボードの上に5cmのグラスウールの断熱材が入っているとします。
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☐☐「熱還流率計算実施②」☐☐
屋根:鋼製折板(t=0.6㎜)+裏打ちウレタン(t=4.0㎜)
天上:プラスターボード(t=9.0㎜)、断熱材グラスウール(t=50.0㎜)
という構造の場合、
熱貫流率(K値)=
1 /〔① 0.05 +(② 0.0006÷③ 68.970)+(④ 0.004÷⑤ 0.030×⑥ 0.7)+⑦
0.1
+(⑧ 0.009÷⑨ 0.516×⑩ 0.7)+(⑪ 0.05÷⑫ 0.039×⑬ 0.5)+ ⑭ 0.1〕
=1.0034 kcal/ ㎡ h℃ ということになります。
①外部空気定数、②鋼板 0.6㎜、③同熱伝導率、④裏打(ウレタン) 4㎜、⑤同熱伝導率、
⑥同推定有効率、⑦内部空気定数、⑧プラスターボード9.0 ㎜、⑨同熱伝導率、⑩同推定有効率、
⑪グラスウール 50 ㎜、⑫同熱伝導率、⑬同推定有効率、⑭内部空気定数
〈熱伝導率〉 鉄 : 68.970 kcal/(m・h・℃) ウレタン: 0.030 kcal/(m・h・℃)
プラスターボード: 0.516 kcal/(m・h・℃) グラスウール: 0.039 kcal/(m・h・℃)
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☐☐「省エネ計算の場合の熱還流率計算」☐☐
現在当社で行われている省エネ計算方法は、屋根板の裏側で観察される温度数値のデータを用いる場合が多くなってきています。
その場合は、考えるべき熱の伝わりは天井裏の空気より下ですので、上の計算例の①~⑥までは熱還流率として考慮に入れなくてよいこととなります。
とすると、必要な熱貫流率(K1)=
1 /〔⑦ 0.1+(⑧ 0.009÷⑨ 0.516×⑩ 0.7)+(⑪ 0.05÷⑫ 0.039×⑬ 0.5)+
⑭ 0.1〕
=1.1720 kcal/ ㎡ h℃ ということになります。
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☐☐「来月は熱還流率から省エネ熱量を計算します」☐☐
ここまでで省エネ計算のうちの熱還流率計算をご案内いたしました。
今月はこのあたりまでといたします。
来月は求められた熱還流率から、省エネ熱量を計算する流れをご説明します。
どうぞお楽しみにしてください
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以上、第22回目の話題をお伝えいたしました。いかがでしたでしょうか?
また次回の話題をどうぞご期待ください。
よろしくお願いいたします。
【キルコートニュース編集委員会】
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